清心のみのり「みてみて!きいて!」が終って

12月15日から17日までの3日間で「みてみて!きいて!」を開催しました。
子ども達のふだんの活動を「発表」の形で保護者の皆様にご覧いただく催しでした。
 年少組は先生の呼びかけでどうにか皆が行動できるようになりました。2クラス共にあらかじめ椅子が並べられてあります。すみれ組は入場して着席「座った状態から、順番に立って自分の名前を言って座る」。次はあらかじめ扮装して変身している物によって先生の歌の呼びかけ(お姫様になったおともだちー等)に合わせて「該当者だけが出てきて踊る」「順番に何に変身したのか言う」のですが、「○○になったお友達」と言われて該当していないのに毎回出てきて一緒に踊り、先生の前に並んで発表しようとするまだ十分に理解ができない子どもが何人もいて、4月から3月までの生まれの差や育ちの違いがあり、年少ならではのかわいらしさ楽しさです。先生はまだ理解できない子もそのまま受け入れ自然な流れで進行しています。保護者も出来不出来ではなくどの子も楽しそうに参加できていたことを愛でていただきたいです。もも組は大好きな忍者になった子ども達が「くだもの列車」の歌にのって登場、忍者の歌に合わせて「片足立ち」「けんけんぱ」等の修行を披露しました。すみれ組同様事前に変身していたので「該当者だけが出てきて踊る」「順番に何に変身したか言う」を披露しましたが、もも組はほぼ全員該当者だけが出てくることができていました。2クラス同じように生まれ月の差があっても様々な要因で全体としての発達が異なります。もも組も全員の子が楽しそうに元気一杯参加していました。
年少組では「○○になろう」「○○を作ろう」と明確なイメージがある子は少なく、やっているうちにそうなった、お友達と同じに、毎日のあそびでなじんでいるもの、等から何となくのイメージを聞き取りながら子どもの手作業を先生が援助してしっかり身に付けられる変身グッズを仕立てています。「アリエル」「○○レンジャー」等言う子もいますが、園生活の間はできるだけ概念化は遅らせてその子ならではの発想が出来上がってくるのを、おいしいお酒が醸造されるようにゆっくりじっくり味わい深くなーれと寄り添って個性豊かな子どもを育んでゆきたいです。
 年中組さくら組では子ども達のふだんの活動を忠実にご覧いただくために先生の苦心工夫がされていました。「プリン屋さん」の女児2名では泥・水を持ち込んでいつもの活動をしてしまうと際限なく時間がかかることから、テレビのお料理番組さながらに途中経過の状態をいくつか用意しておいてすり替えて時短を実現していました。
「おりがみ先生」でむずかしいところを上手な子が教える様子、積み木を運ぶ場面「力持ちのなんでも屋さん」が出てきて、一人では重たいときは「あとひとり!」のいつも通りのSОSを出している様子など、「かみひこうき飛ばしレース」「クリスマスたんじょうびパーティー」でもいつものさくら組での行動が随所で見られ、子ども達が日常的に行っている主体的な動きを先生がどうやって「見せる」かに徹してクラス全体のひとつの作品として作り上げていました。いつもお片づけのときに見られる先生の歌と子ども達からの掛け声が組み込まれていなかったことがとても残念でした。(それは先生自身はそれほど特別なことをやっている意識がなく当たり前の日常の作業風景なのでしょうけれど、どの子も一体になって息を合わせて、しかも楽しげにお方付けをしている様子は一見の価値があるのでご覧いただきたかったです。)
うめ組は子ども達の日常の主体的活動を先生がストーリー仕立てにつなぎながら順番に発表していきました。「どきどき!マジックショー!」「いい音みつけ隊」「化石さがし」は一人ひとりの子ども達が「やらされる」ことなくやり遂げた満足そうな自信たっぷりの発表でした。大人の概念で「音が聞こえなかった」「よくわからなかった」とか上手下手、出来不出来を言うことなく、子どもならではの発想・創造をほめてあげてください。「こ~んなことできるよ」ではふだん園庭で縄跳びを楽しんでいる子ども達に、布を裂く・編んで紐をつくる技・結び、など日頃の様々な活動を披露してもらいました。「劇ごっこ」でもその子らしい衣装を凝らして「どうだ!」と言わんばかりの表情で即興のお話し(先が読めない先生泣かせ)を演じていました。予定の45分が倍の90分になりました。先生のストーリーの部分と「どうしてもここまで見せたい!」気持ちの強さが長引きました。子ども達は楽しんでいましたが、保護者に同伴した幼い弟妹は飽きてしまったり、ぐずったりご苦労だったことでしょう。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
 年長組は2クラス混合の8グループがお話しを劇仕立てにしていました。子ども達が日々作っていくものなので「清心だより」配布時点では時間のみが決定されていました。11日に「クラスだより」ではグループのメンバーまでをお知らせすることができました。そして当日会場でプログラムが配られやっとストーリーと役がわかりました。「ジャングル」「ぎんたろう」「くも」などのグループ名だけでも嬉しくなります。「カマドウマ」「かなへび」「川」「森」「海」「宇宙」「カラス」「ガーちゃん」「ポニーちゃん」などの役名を見ていかにも子どもの発想に感心。午前1部4グループ午後2部4グループが最初と最後の合唱の間に順番に演じてゆきました。あらかじめストーリーはあるものの役を変更していたり、もちろんせりふは全部即興で、保護者が見ていることでテンションが上がっておさまらない子もいて、どのグループも思わず笑ってしまうシーンやなるほどというシーンが続出です。先生が子どもの即興を受けながら臨機応変に進行していくふところの深さにうなりながら、まさに年長ならではの育ちの姿を見ることができました。
 ふだん保育中は円座で行われることを、客席があり観客に見せることから「正面」を意識する指導がありました。年少組は先生が客席に向けて並べてあげますが、年長・中組では「見せる」ことを理解できた子は客席を向いて演じることができます。それでも夢中になるとついお尻を向けている姿がありました。大きな声でせりふを言うような指導はしていないので先生がかわりに解説をしています。以前何の指導もないありのままの子どもの活動を360度全方向から保護者が周りを囲んでご覧いただいたことがありましたが、今回は様々な要因からスタイルが決まりました。。
必要最低限の指示を心がけていますが、ふだんとは違う条件では当然配慮すべきことが発生するということを知る機会であり、指示命令ではなく理解して自分が気づいて行動できるように働きかけています。
 今回は撮影を禁止してビデオ配信をしました。職員の中でパソコンやネットに精通した人材に恵まれ実現しました。ご家庭でゆっくりご覧いただけるようになりましたが、QRコードなどが部外に漏れることのないように個人情報を厳守するようご注意を促したいところです。
 今まで職員が全クラスの発表を見られることはなかったので、初めて他の先生の仕事ぶりをお互い見合うことができて良かったです。今後の学びにつながっていくことでしょう。

 

                  令和2年12月30日 清心幼稚園 清水 進


2020年12月30日